おいしさは笑み
ゆっくり、ゆったり
想いは扉を開ける
おししいで笑顔を作りたい、ゆっくり・ゆったりできる空間を大切に、また明日からがんばれる！と感じてもらえたら。
それが、私たちの想いです。
（そんな想いを、ミニストーリーにまとめてみました。）
人は、美味しいものを食べると笑顔になる。そんな笑顔を見るとまわりも笑顔になる。そして笑顔が伝わって、作り手に届く。
久方ぶりに田舎に帰った。
おばあちゃんが一人で暮らす家の引き戸は、少し、重たく感じた。
引き戸を少し開けて、顔だけ入れる。
「ただいまー」
「あらーめずらし。おかえり」
おばあちゃんが昼ご飯を作ってくれた。
「はい、できたよー、はいからさんが通るよー」
「ありがとう、はいからさん？ ライスバーガー？」
山菜を想像していたけど。えっ？
「いんすたはえ」
「ハエ？」
「いんや、映え」
僕は、大喜びで頬張る。
そして、めったに帰省しない自分に怒り、少し哀しくなって、食べ終えた。
おばあちゃんは喜怒哀楽を、全部まとめて、笑っていた。
ようこそ「笑みの扉」へ、「おかえりなさい」
ゆっくり・・・速さやリズム、時間的な感覚
ゆったり・・・広さ、広がり、空間的な感覚
「今日は、ゆっくりしていけるの？」
「うん、まあ。」
縁側、猫、おばあちゃんの淹れた珈琲。
久しぶりに、ゆっくりできている。いや、ゆったり、かな。
「・・そうか！」
この場所が、「ゆっくり」なんだ。
そして、僕が「ゆったり」なんだ。
ゆっくり・・・おばあちゃんち、縁側、目の前の田んぼ。
ゆったり・・・今の僕の精神的・心理的状態。
うん、きれいにまとまったな。
よし、あとはタイミングだ。
「ほんで、今日はどうした」
「あっ、うん、えーとね」
タイミングはこちらが決めたかったなぁ。
「僕ね、結婚することになった」
「そうなんか。無いと思っとったから、びっくりめでたいなぁ」
「遅くなったけどね」
「うん、うん。新しい扉を開けたっちゅうことやな」
大げさな、とは口にしない。
「紅緒はな、最初は少尉に反発しておったんや」
長くなりそうなおばあちゃんの話をうんうんと聞きながら
庭を眺めた。
新しい扉か。開けたのかな？
いや、引き戸を少し開けて、顔だけ入れた。ぐらいかな。
対応いたしますので、ご相談ください。
